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あなたの家でやっている防犯対策は? - 実体験から防犯のすすめ

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防犯の意識が否応無く高まったのは、まだ中学生の頃、本当に実家に空き巣が入ってからだった。

隣の家の方が、由緒正しい方たちだったので、値のつけられないようなワインや骨董品をお持ちだったので、それまでに何度か空き巣に入られていたのは知っていたが - しかも、盗られたことに気づくのもだいぶ経ってからだったらしい - 、「お隣は本当にお気の毒だったね。それにしても、うちは盗られるものがないね・・・(笑)」と家族でいつも半ば自虐的に笑っていたものだった。

しかし、"それ"は、前兆を伴って起こった。

まず、どうやら空き巣は下見をしに来たらしく、夜中に家の裏通路の砂利の上を人が歩く音が聞こえたり、窓の細工の一部が壊れていたり、裏の通路の入り口に置いてあった大きな瓶(重いので、自然には倒れない)が二つも倒れている、ということが立て続けに起こり、「誰かが通った」痕跡が1週間のうちに何度か見られたことがあった。

その時点で、もっと警戒すればよかったのだが、そもそも価値のあるものを持っていないという自負(笑)があったものだから、実際のところ、「空き巣に入られる筈がない」という妙な自信があった。

ある寒い冬の日の夕方、母親が買い物に出かけた後、家には弟と家庭教師の先生、そして私、の3人しか残っていないことがあった。子供たちの部屋は3階にあって、弟は自分の部屋でお勉強中、私も自分の部屋で夕寝中(寝てばっかり!)。

ふと、ドアをドンドンと激しく叩く音で目が覚めた。部屋を出ると、弟たちも怪訝そうな顔をして階段の下を見ている。

よくよく耳を澄ますと、母が大声で怒鳴りながら、ドアを叩いていたようだった。

「○○~(私の名前)!開けなさ~い!!」

とんだ汚名を着せられたものだ、と思い、1階まで降りていき、「私はここに居るけど?」と、弟たちも皆上の階に居ることを伝えると、母親は何かを悟ったように、ドアに体当たりをして、ドアの一部を壊し、内鍵まで手を伸ばし、鍵を開けた。(こういう時の冷静沈着な判断力と行動力が、我が母親ながら凄いと思う ^ ^ )

中に入ると、この部屋は完全に錯乱状態だった。

「空き巣に入られたわね。」

誰も部屋に残っていないことを確認すると、観念したかのように母が言った。母の視線の先には、ワイヤーの入っているにも関わらず半径15センチくらいに丸くくり抜かれた窓が、半開きになっていて、そこから寒い風が吹き込んできた。

足場になった棚には靴の跡がくっきり。

このときの物凄く気持ち悪い思い - 屈辱感と恐怖と嫌悪感と憎悪 - は何とも形容しがたく、忘れられない。

結局、何も無いなどと高を括っていたのだが、形見の指輪やら何やら、それなりに盗られてしまったらしく、母はかなり落胆していた。

後で警察の人たちが検分しに来てくれて、嘆息をもらしながら、色々教えてくれたのだが、結論から言うと、次のようなことだった。

1. 窓ガラスの穴の開け方というのは各空き巣独特の手法があり、この開け方をしている空き巣が最近近所で何件も空き巣をやっている。
2. 捕まえても、実はイタチごっこで、空き巣は刑が軽く、2年ほどで出てきてしまうので、仮に捕まえてもまた数年後、定職に就けず、同じことを繰り返す。
3. 更に、寒い時期になると、食べ物にも困って、空き巣に入るが、それで捕まってもむしろ刑務所の方が暖を取れるというので、進んでやっているようなケースさえある。
4. 盗られたものは、もちろん追跡するが、直ぐに売り捌いてしまうので、戻ってこないことの方が多い。
5. 空き巣に入られないようにするには、日ごろの防犯が大切。


3が本当だとすると、季節ごとの空き巣の件数というのを見てみたいところだが、ちょっとすぐに見当たらなかったので、何とも言えない。2.もそうだが、何とも世知辛く、悲しい話だ。

いずれにしても、この恐ろしい教訓を経て、激怒した父親が警察の人とタグを組んで(笑)、実家は完全な防犯体制に入った。

犬や猫などの小動物には引っかからないが人間には反応する赤外線センサーを家の周囲に張り巡らし、侵入者があるとサイレンが鳴る仕組み、玄関先は、人が来るとセンサーで反応してライトが点き、窓ガラスは、削る振動に反応してサイレンが鳴る仕組み、等々、今思えば映画にでも出てくるトラップのような防犯体制になったが、空き巣に入られたあの気持ち悪さを考えると、二度と味わいたくないので、極めてノーマルな対策に思えた。(しかも、こんなに物々しいのに、意外とお手頃価格だったと記憶している。)

更に、やはり鍵のピッキングが多いということで、数年前に鍵もピッキングしづらい複雑な構造にした上、外出時にも、自宅に居る時でも、必ず2重の施錠をしている。

ここまでやって、早15年経っているが、その後未だに空き巣に入られたことが無く、やはりきちんと防犯しておいて良かった、とつくづく思うのである。

今もその名残で、夫が私の神経質さを満足させるために、センサーで点くランプを玄関通路に設置、各窓には、2重の鍵を取り付けてくれた。もちろん、鍵はピッキングしづらい最新型の鍵。センサーや窓用の鍵は、東急ハンズやLOFTに普通に売っているので、手軽に対策できる。

ちなみに夫の実家に行くと、ドアに4重の鍵が付いていて、パリ市民の防犯意識の高さが覗える。それだけ夜は危険ということの裏返しでもあるのだが、それだけ用心するに越したことは無い。

防犯は、後で空き巣に入られて悔やんだりするくらいなら、し過ぎてもし過ぎることはない、というのが私の持論。しかも、私の場合、家には居たものの、実際に出くわすこともなく、一応"空き巣"で済んでまだ良かったが、最悪、家に居る時に入ってくる"強盗"だったら、命が無くなる場合だってある。

・・・ということで、皆さまのしている防犯も参考にしつつ、私も更に防犯をしっかりしようと思うのであった。


後日談だが、センサーが付いた直後、慣れない父は、人騒がせなことに、ベランダに出たり、警報がセットされた状態でドアを開けたりして、呆れるほどよくサイレンを鳴らしていた。ある種、狼少年と化したサイレンだが、一度だけ、人間以外のもので鳴ったことがある。

それは、猿。

何と、猿の脱走事件が何度か都会を騒がせていたある晩のこと、突然サイレンが鳴り、母と弟が2階の窓から裏の通路を懐中電灯で照らしてみたら、二人とも、

「・・・猿・・・??顔が長い・・・」
「猿だよ!ああっ、壁に飛び乗った!」

と不思議そうな顔で言っていたので、私は、

「そんな訳ないじゃん!あれは全然離れた区でしょ~。壁を越えられるっていうんだから、大きな猫でしょ?」

と一笑に付していたのだが、その後も猿が通りで跳ねているのを見た近所のご老人が「怪しからん」と怒っていたとの情報もあり、どうやら本当に猿だったらしい。

嘘みたいな本当の話。





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