パリ: プレゼント騒動
三十路を過ぎてからと言うもの、自分の誕生日には疎くなり、年齢もいちいち思い出さないと意識出来なくなってしまっていた。
日本の家族も、メッセージや贈り物のやり取りはあっても、人数も多く、小さい子どもが多いので、個々に盛大にパーティ、と言うのはなかなか難しく、父や母の還暦祝いでやっと集まれたくらい。まあ、元旦生まれの父はそれでも集まるのは楽だったが、母に至っては、中国式に、自分の還暦を自分で盛大な会をオーガナイズして祝ってもらうという、家族にとっては全く手間のかからないユニークな祝い席だった。きっと気遣い屋さんの母の狙いはそこにもあったのだろうけれども。
フランス人は家族の誕生日は一大イベントで、扱いが全然違う。今月の私の誕生日のために、どんなプレゼントがいいのか、当日はどんなご馳走がいいのか、ノルマンディに居る義兄も呼ぶ、とか、2ヶ月近く前から計画を立てていた。
正直、息子を産んでからというもの、以前のような物欲も無く、しかも今は母子で居候の身な上、毎日美味しい料理を振舞われ、息子にも手厚い世話を焼いてくれて・・・と言う状況で、これ以上何が欲しいかと訊かれると、満ち足り過ぎていて、何も思いつかない。
1ヶ月半前くらいになってもまだ返事していなかったので、痺れを切らした義母や義姉が、早くリクエストして頂戴と矢の催促。仕方なく、「じゃあ、何か、イタリア産の素敵な食器とか。素敵なデザインのものだったら何でも良いです」と答えたら、「イタリア製ね!いいお店を知っているし、任せて」と話が落ち着いた。
ところが、たまたま夫が来て居る時期だったので、夫は考えあぐねている私に茶々をいれた。「ん?カメラがいいの?そうか、そうか。やっぱりカメラが欲しいよね」と、自分が欲しいものを、さも私が欲しがっているかのように言い放った夫。「それ、自分が欲しいものじゃ~ん!」と笑ってじゃれ合うおバカな夫婦。
ところが、これがいけなかった(^^)
半月ほどして、義姉から電話があり、誕生日プレゼントの再確認があった。
「イタリア製のカメラが欲しいんだよね?」
なんじゃそりゃ~!?
なんでカメラ~!?
ここで初めて、私が言った"イタリア製"と夫が冗談で言った"カメラ"が合体していたことが判明。
結局、イタリア製の服、と言うことになって、カタログを見て私が欲しいデザインを選ぶ、と言うことになった。
それが、10日ほど前の話。
当日の食事のメニューも先週決まり、やっと落ち着いた。
さて。
人が70人集まると、同じ誕生日の人が居る確率がほぼ100%になる、と言う統計の話があるが、同じ月だともっと少ない人数で事足りるだろう。
私の2週間後が姪っ子の誕生日で、これまた面白いひと騒動があった。
現在7歳の、一番下の姪っ子なのだが、義理の両親たちが何が欲しいかと尋ねたら、「天体望遠鏡」と答えたそうだ。
これには義兄夫婦も義理の両親もビックリ。
7歳の子にそんな大そうなものを与えても、年に何度使うのか考えたら、費用対効果が悪すぎるし、
星が綺麗に見えるノルマンディの義兄の家には既に一台あるし、義父も大きな天体望遠鏡を持っているらしい。
何と言って諌めようか、と彼らが困り切っているところへ、姪っ子が新たなパンチ。
「誕生日のプレゼントだと買うのが大変だったら、クリスマスでもいいよ。クリスマス・プレゼントだったらタダだものね!」
これには義兄夫婦も義理の両親もぐうの音も出なかったらしい。まだクリスマスの夢を信じている姪っ子の夢を壊せないが、クリスマス・プレゼントならサンタがタダで持って来てくれるから楽だという、純粋であるが故に現実的な発想・・・!
困り果てた義母が笑いながら私に相談しに来たので、私も一部始終を知ることになったのだが、それで良いことを思い出した。
東京の実家に、ほぼ未使用の天体望遠鏡があることを。
父が使っているカード会社の一つが、会員サービス(CRM)の一環で、毎年豪勢な贈りものを送って来てくれるのだが、或る年、それが天体望遠鏡だった。しかし、父には、特に星を見る趣味も無く、東京だと見えないし・・・という事で、一度開封したきり捨て置かれていた。そのうち、要らないから捨ててしまおうという話まであって、捨てるのはさすがに勿体無いからやめようよ、と言う代物だった。
そんな天体望遠鏡。
もし実家にまだあったら、送ってもらったら、こっち(フランス)の家族はしょっちゅう旅行するし、息子たちも大きくなったら一緒に使えばいいし、何より、姪っ子に、「そんな訳でみんなで使えるのがあるから、何か違うプレゼントをリクエストしてね」と言える。
早速、実家の父にメールしたら、「ああ、まだ捨てて無いよ。使ってないし、パリに送るね~」と二つ返事で快諾。
これを受けて、姪っ子のプレゼントの内容は無事変更になったらしい。
誕生日が一大イベントであるが故のプレゼントの騒動。これもまた良い思い出になるだろう。
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Commentaires
むっちゃ起承転結のある日記!
「おめでとう」を書くのを忘れそうになるね。
Rédigé par: Luke | le lundi, octobre 10, 2011 à 11:00 PM